観客6万人の中で最も輝いた男

観客6万3196人と福田正博の関係って?福田の引退試合の総入場者数?ザンネ〜ン。
実はこの数字に89/90シーズンの日本リーグ2部リーグの211試合の総入場者数である。1試合平均なんと22人、ちなみに観客数不明の試合が29試合もあったことはお愛嬌か?

こんなあまりにも寂しい環境の中、このシーズン最も輝いていたのは三菱重工に入社したばかりの福田だった。しかし、彼が入団する前の三菱重工は楽観できる要素はまったくなかった。何といってもその体質の古さ、読売や日産が外国人選手を連れてきて好成績を収めたのとは対照的に純血主義を貫き、リーグ戦4度優勝の名門三菱の面影はそこから感じる事はできなかったほどである。

外国人のいない三菱の再建はいきなりのつまづきをみせた。開幕戦のホームでの住友金属戦でいきなりの敗戦、続くアウェーの京都紫光クラブ戦は4-4のドロー、そして第4節まで三菱はただの一勝すらもあげることはできずにスタートダッシュは完全に失敗に終わっていた。その三菱が浮上するきっかけとなったのは中央大学を卒業して入団した福田の類稀な得点力だった。チームの得点にほとんど絡んだだけでなく、新人ながら任されたPKをことごとく沈めチームの10連勝に大きく貢献したのである。

最終成績では三菱重工が優勝、福田は2位に9点もの差をつけてのダントツの得点王を獲得、チームを一年で一部リーグ復帰へと導いたのである。後にJリーグでも得点王を獲得する事になった福田の原点、そしてPK職人とまで呼ばれたPKの成功率の高さの秘密は、このシーズンにあったのかもしれない。
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